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斎藤による崩壊発生時の予測モデル

山崩れ・地すべりの力学 地形プロセス学入門から、面白いエピソードを見つけたので紹介します。

今から50年前の1960年頃、地すべり・崩壊の研究において、実験を始めてから地すべり・崩壊が起きるまでの時間(Tr)と、定常クリープ速度(de/dt)に、両対数グラフ上で45°の勾配で右下がりの直線関係にあることが示されました。両者の関係を数式で表すとこうなります。

この本で紹介されているのは、斎藤さんが実際にこの数式を使って地すべりを予言した話です。39ページから引用します。

この手法は、1960年12月に大井川鉄道の大井川線脇の擁壁が崩壊した事例に適用された。大井川本線は大井川の急流沿いにあるため、護岸や擁壁の防災には注意が払われていた。1960年の9月には擁壁基部に沈下や亀裂の変状が見られたので、擁壁変形の観測が開始された。9月30日以降10日ごとに擁壁の移動(変形)速度を計測していたが、11月20日過ぎからその速度が急激に増大し定常クリープとなった。そのひずみ速度から計算された破壊(崩壊)までの時間は25.6日、すなわち12月15日が崩壊発生日と予測された。そこで12月13日は列車の運行を止めた。次の日の12月14日に擁壁は線路沿いに35mにわたって崩壊した(斜面の破壊=崩壊が起こった)。すなわち一日違いで予知に成功したことになる。

今から50年も前に、3週間先の地すべりをぴたりと当てています。
すごい話だと思うのですが、Wikipediaにも載っていないので紹介しました。