活荷重とは、自動車など交通物の荷重の事です。橋の上を移動する荷重として、T荷重とL荷重が定義されています。荷重が移動するため、設計部材に最大応力が生じるようにして考えます。
活荷重にはA活荷重とB活荷重の区分が存在します。高速道路や国道のような道路の橋はB活荷重を適用し、それ以外の橋は大型自動車の交通状況に応じてA活荷重かB活荷重を適用します。
橋のスラブ、床組
車道を通るもののうち最も大きな影響を与えるのはトラックなので、トラックをモデルに下図のようにT荷重が定められています。
道路橋示方書 図―2.2.1 T 荷重
橋梁という本に載っていた図1-8がわかりやすかったので、こちらも参考にしました。
T荷重は橋軸方向(車の進む方向)には一組、橋軸直角方向には最大の荷重がかかった時の負荷で計算します。橋がB括荷重の場合は、示方書の表―2.2.2に記載された係数をかけた値を用います。示方書の方には、「ただし、この係数は1.5を超えてはならない」と書いてあります。これが、係数が1.5を超えたときは1.5として計算するのか、そもそも1.5を超える値で設計してはいけないのかは、よくわかりません。
部材の支間長L(m) | L<=4 | L>4 |
係数 | 1.0 | (L/32) + (7/8) |
道路橋示方書 表―2.2.2 B 活荷重を適用する際に床組等の設計に用いる係数
支間長が長い橋桁はT荷重とL荷重の不利な応力を与えた荷重で計算します。
歩道を歩く歩行者は、500kgf/m^2の等分負荷として計算します。
主げたを設計するときの活荷重
主げたを設計するときは、図―2.2.2 L 荷重に示すL荷重を考えます。
道路橋示方書 図―2.2.2 L 荷重
橋軸方向と、橋軸直角方向にそれぞれ、P1、P2のL荷重をかけます。L荷重はT荷重と動揺に、注目している点に最も不利な応力が働くように計算します。橋の幅5.5mまではP1とP2を、その外側にはそれぞれの半分の荷重を考えます。P1P2は下の式で計算します。
道路橋示方書 表―2.2.3 L 荷重
B活荷重には、T荷重と動揺に表―2.2.2に記載された係数をかけます。L荷重の計算時も係数が1.5を超えてはいけません。
参考
道路橋示方書は、国土交通省のサイトからダウンロード出来ます。
http://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/bunya04.html
基礎シリーズ 橋梁
http://www.amazon.co.jp/dp/4407031697