温度変化によって構造物の部材に伸縮が生じた場合、支点が動かないような構造になっていると部材は伸縮できず、内部に圧縮または引っ張り応力が発生します。これを温度応力と呼びます。
温度応力
上図において、温度がt1からt2に上昇した時を考える。一端のみ固定している時は部材がΔl伸びるが、両端が固定してある時はΔlだけ縮んだ状態になり部材内部に圧縮応力が生じます。つまり、部材の両端に圧縮力Pが作用してΔlのだけ縮んだ状態になります。この圧縮応力をσ、部材の膨張係数をα、弾性係数をEとすれば、σは次の式で求められます。
反対に温度がt2からt1に下降した場合は、部材は図のように両方向に引っ張られる状態になり、部材内部に上式で求められる引っ張り応力が発生します。
設計に持ちいる温度
道路橋示方書によると、設計に用いる温度は+20℃を基準として使用します。ただし、寒冷な地域においては+10℃を標準とします。
温度変化の範囲
橋種 | 温度変化 | 温度変化(寒冷な地方) |
鉄筋コンクリート橋、プレストレスコンクリート橋 | -5℃〜+35℃ | -15℃〜+35℃ |
鋼橋(上路橋) | -10℃〜+40℃ | -20℃〜+40℃ |
鋼橋(下路橋、及び鋼床版橋) | -10℃〜50℃ | -20℃〜+40℃ |
伸張係数は以下の値を使用します。
参考
道路橋示方書は、国土交通省のサイトからダウンロード出来ます。
http://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/bunya04.html
基礎シリーズ 橋梁
http://www.amazon.co.jp/dp/4407031697