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FPGAスタータ・キットで初体験!オリジナル・マイコン作り

 FPGAスタータ・キットで初体験!オリジナル・マイコン作りの紹介です。タイトルはオリジナル・マイコン作りになってますが、正確にはオリジナル・マイコンシステム作りです。マイコン(CPU)はオリジナルではなく、Nios IIを使っています。目次の通り進めれば、第1部が2週間、第2部が2週間、合計一か月ででマイコンシステムが作れるようになります。ターゲットボードはDE0で、使用言語は第1部がVerilog、第2部がVHDLです。

第1部 PMW制御システム編

 DE0をターゲットに、Quartusプロジェクトを作るところから順番に回路を作っていきます。2日目からNios IIを使っていきます。使用言語はVerilogで、Qsysを使ってSDRAMコントローラやフラッシュメモリコントローラを追加していきます。メモリの構成を変えるたびに、Nios側のメモリマップを変えていくところの説明が詳しく載っています。最後にはModelSim Alteraのシミュレーションをおこないます。

第2部 画像処理システム編

 2部からが本番です。カメラからデータをダブルバッファで処理しながら同期のタイミングを合わせたり、SDカードに画像を保存したりします。SDカードには直に画像のイメージを書き込んでいて、ファイルシステムは実装されていません。SDRAMコントローラも2章では自作のコントローラをNiosIIに接続しています。合わせて、リアルタイムな動き検出など、画像処理の部分も作り込んでいきます。回路の難易度は、FPGAボードで学ぶ組込システム開発入門(Xilinx編)の続きくらいです。FPGAボードで学ぶ組込システム開発入門(Xilinx編)で、リアルタイムな動画像の入出力を作った後、この本で画像処理の部分を見ていけば良いと思いいます。使用しているCMOSカメラはaitendoのCAMERAA30W-7670と、両方で共通ですので回路も使い回せます。

本の回路を動かす為には

 DE0からCMOSカメラを使うには簡単な工作が必要になります。接続の為の回路図が載っていますが、工作が苦手な人にはアダプタ基板が筆者の会社から購入できます。
http://digitalfilter.shop-pro.jp/?pid=57336631
アダプタ基板を購入した場合でも、基板間を接続するフラットケーブルは別途入手する必要があります。

対象読者

 急ぎ足でいろんな事をしていくので、最初の一冊には不向きです。FPGAの中である程度CPUが動かせるようになったけども、標準のIPコアや自作回路のつなぎ方を知りたい人や、実際のリアルタイムな画像処理を実装してみたい人にお勧めです。また、SDRAMコントローラの動きもソース付きで書いてあるので、自分でメモリコントローラを書きたい人にも参考になると思います。本全体の構成が、前半がVerilog、後半がVHDLになっているのでVerilogVHDLのどっちがきても、それなりに分かるレベルの方がよいでしょう。ただ、Appendixやサポートホームページからダウンロードできるソースは、VerilogVHDLの両方が見れるので、片方だけの知識でも動かすことはできると思います。