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戦略的データサイエンス入門

戦略的データサイエンス入門 ―ビジネスに活かすコンセプトとテクニックを読みました。

どんな本

タイトルにあるようにビジネス側からのデータサイエンスについて書かれた本です。データサイエンスの本は、ともするとアルゴリズムから手法を分類しがちですが、この本はやりたいことに対して、どういうアプローチがあるのかを説明しています。誤検出の話など、他の本に比べて事例を交えた説明が非常に詳しいです。共起についてはこの本で始めて知りましたが、お客さんによっては最重要視されるところも有り、画像処理とは違う世界が広がっています。

一方、数式に関しては中途半端な所があります。突っ込んで説明しないのは良いのですが、数式の一部が日本語になっていてかえってわかりにくいところもありました。

良かったところ

実例をベースに単純に考えると間違える事を詳しく説明されていました。手法の評価自体も今まで読んだ本の中では一番詳しく説明されていました。参考文献も充実していて、気になったら、さらに詳しく調べることもできます。全体を通して筆者の誠実さが伝わる本でした。

度々でてくる「(良い)データは投資」という概念はその通りだと思います。良い分析をするための良いデータというのは、お金と時間を大量にかけて取得しないといけないし、データの背後にある背景(ここで○○のサービス開始とか)も押さえている人が分析しないと、データが活きないのは感じました。

正直、作業者レベルの僕が読む本ではない気がしますが、もう少し実務になれて上のレイヤーの仕事になるか、社内のデータ分析の担当になったりしたらもう一度取り出して読みたいです。