今回は急な開催となり告知期間が短い中、57名の方に参加していただきました。
平日の微妙な天気の中、ご参加いただきありがとうございました。
さくらインターネット様には素敵な会場提供だけでなく、講演者へのお声がけや、懇親会の費用も負担していただき実質のスポンサーとしてご協力いただきました。ありがとうございました。
全体的には特にトラブルも無く無事終わりました。
各セッションの感想を簡単に。とにかく全てが面白いセッションでした。
Google 下田様 「Google Cloud Next で発表された最新ML情報のアップデート」
前半は機械学習の環境をマネージメントするKubeflowについてのお話でした。僕たちが使うには、日本語の情報が増え、各コンポーネントがそろってからで良いかなと感じました。時代の先端を行きたい人は使ってみましょう。こういう仕組みが一般に広まっていくと、お客様との仕事の進め方がやりやすくなるなという感想です。前半のデータの管理の方が自分たちの業務に標準として取り込みたい部分です。
後半はEdge TPUの話でした。なんと言っても小さい。画像で見たときの大きなチップがEdge TPUだと思っていて、これはどうかなと思っていたのですが、横にある小さい方がEdge TPUです。PLL内蔵で単一電源で動いたりしたらめっちゃうれしい。
山口様 「囲碁プログラムAQの強化学習戦略と神の一手までの道のり」
囲碁AIにおいて、神の一手が概念的な話では無く実際に達成できる道のりとしてロードマップが出てきたところにしびれました。最強のAIが出てきたとしたら、その最強のAI同士の勝負は必ず引き分けになるという所から、いつ頃最強AIができそうなのかという話でした。
前から気になっていたAIによるトレーニングについても質疑応答でお話が聞けました。今は最強を目指す方向にみんな向かっているが、中国ではAIを使って人間の実力を上げる事もやっているようです。強さが点数として出るので、そういう取り組みがやりやすいそうです。面白い。
Google Martin Görner 様 「Tensorflow, deep learning and Recurrent Neural Networks, without a PhD」
TensorFlowのソースコードを学習させて、自動でコード生成をする話が最高に面白かったです。ここから順に見ていってください。
最初はぐだぐだだったのが、だんだんPythonのキーワードを覚えたり、コロンの使い方を覚えたりしていきます。学習途中だと、[]の対応ができてなかったり、関数名が無駄に長かったり、初心者っぽさがでています。そして学習を続けると、いきなり偽アパッチライセンスを主張し始め、なんとTensorFlowのtipまで付け加えるという優秀っぷりを発揮します。
word単位では無くchar単位で生成させて、ここまでできることに驚きました。
Pegara 中塚様 「時代はAMD GPUやで」
AMDのGPUを使ってDeep Learningをする話。ボトルネックを調べると、データのやりとりの部分で律速しているので、お高いGPUを使う意味は無いという話。実測しているので説得力がありました。一方、やりたいことに対してfp16やfp64本当に必要?fp32で十分でしょという所も実感としてはその通りですね。
AMDのGPU環境としてROCm(ロックエム)の紹介がありました。今なら十分使えるようです。機会があれば(無理してでも作って)、一度評価してみたいですね。対策済みの脆弱性の紹介で、GPUのファンを回しっぱなしにしてデバイスにダメージを与えるという話が面白かったです。ハッカーぽさを感じました。
さくらインターネット 長谷川様 「さくらインターネット 高火力コンピューティングのご紹介」
つかみのイカの話はすごく面白く、もっと聞きたかった人も多かったと思います。
高火力サーバーの導入事例として、PFNさんなど有名な企業が並ぶ中、突然のDeep AAに衝撃をうけました。紹介時期はこちらにあります。
http://ascii.jp/elem/000/001/672/1672886/
今後間違いなく廃れて行くであろうAAに注ぐ情熱に、才能の無駄遣いを感じずにはいられませんでした。一方、職人が持っている属人的な技術を、AAで誰でも使えるようにしたいという要望は製造現場では少なからずあります。日本の高齢化社会の問題にも一石投じる素晴らしい取り組みだと思いました。