Steven M. LaValle先生のPlanning Algorithmを読みした。
書籍は結構値段がしますが、ここからpdfがダウンロードできます。感謝しかない。
経緯
Robotic Grasping from Classical to Modern: A Survey を読んでいたら、軌道生成に関してはPlanning Algorithm読めって書いてあったのがきっかけです。このSurvey自体も読み物としては面白く、把持可能かどうかを従来の二値分類を使った機械学習から、Deep Learningへ変わっていく様子が分かります。紹介されている論文の量が多いので、実際の所はDeep Learning以前の物は無視しても良いかなと思いました。
内容
ロボの軌道生成で論文書く人は必読かなと。 数学的な問題の定義から始まって、手法の紹介、簡単な例が載っています。数学も工学書にしては厳密に感じました。例えば、何かの区間を処理するのに境界を含むか含まないかで、数学的なアプローチが全然違うといったことが書いてありますが、実務だとそこはあまり気にしない気がします。
ボリュームは1000ページあって、参考文献だけでも50ページ以上あり、実質は900ページくらい。各章の最初で問題の定義を行い、解説があり、章末に大量の練習問題があります。
全体としては大きく4つに別れていて
- Introducton Material 離散系のパスプランニングを中心に基本の解説
- Motion Planning 連続系やサンプリングベースの軌道の話
- Decision-Theoretic Planning 確率を使ったプランニングの話(SLAMとか)
- Planning Under Differntial COnstrains 速度の制約などが入るプランニングの話
という構成になっています。
どれも最初に数学から入るので、知っていれば飛ばせるし、知らなければ別の本で勉強してから戻ってくるようにすれば理解が深まると思う。 なんでこういう手法が出てきたのかという説明が簡潔に書いてあって助かりました。
確率を使ったプランニングはよく分からなくて、別の本で基礎を固めてからもう一度読み直したい。
最近の論文から
この本でサンプリングベースの軌道生成が紹介されていて、軌道がジグザグになるしピッキングロボではこんなの使わないでしょって思ってました。
最近のロボ系のニュースでVoxPoserというのがあります。
LLMを使って把持をしています。最先端のトピックですが、ここで軌道生成がサンプリングベースと書いてあってサンプリングベースも使うんだと驚いてしまいました。 最新の論文の理解もずいぶん深まるので、論文から情報を得たい人には一度さっと目を通すのをお勧めします。