ぱたへね

はてなダイアリーはrustの色分けができないのでこっちに来た

コンピュータビジョンに出てくる訳語の使い分け

 コンピュータビジョンの勉強をしていると、ふとprojectiveは投影なのか射影なのか自分でも良くわからなくなることがありました。ふと見たコンピュータビジョンの訳者まえがきに、この本での使い分けが書いてありました。自分へのメモとして残しておきます。

  • projection は、数学的コンテキストで「射影」(正射影、投影幾何、射影行列、射影モデルなど)、カメラ的コンテキストで「投影」(逆投影など)。意味的な差はないが見た目の差が大きい
  • constraint は一貫して「制約」、エピポーラと結びついた場合のみ「エピポーラ拘束」や「3焦点拘束」
  • ray は、「光線」「半直線」
  • surface は、物理的特性の議論では「表面」、3次元形状では「曲面」、合成語は「面」。surface colorは「物体色」
  • component は、数学的議論では「成分」、混合モデルでは「コンポーネント
  • matching は、一般に「マッチング」、色コンテキストで「照合」、ステレオ視で点対応を取るコンテキストで「対応」。
  • motion は、一般に「運動」、「動き場(motion field)」のときのみ「動き」
  • observation は、一般に「観測」とし、物理的な定性的な場合「観察」
  • field は、「動き場(motion field)」「光線空間(light field)」「フレーム場(frame field)」
  • arc は、解析幾何の場合には「弧」、グラフの場合には「アーク」
  • 作用素はヘシアン、ラグラシアン、ラプラシアン。名詞を伴わない Gaussian はガウシアンとし、Gauss が名詞にかかる場合、ガウスカーネル(核)、ガウス平滑化、ガウス雑音
  • inference と reasoning はともに推論と訳されることも多いが、inference を「推論」、reaoning を「リーゾリング」とした

対応を見ているだけで、この本は翻訳するのに大変な苦労があったように感じます。