ぱたへね

はてなダイアリーはrustの色分けができないのでこっちに来た

Learn or Die

PFNの西川さんと岡野原さんが書かれた本。ようやく時間取って読むことが出来ました。

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お二人の考え方も結構違う所があるので、どの章をどちらが書いているのかを確認しながら読んだ方が面白い。 本の内容は、今までの取り組みと今後の狙いを熱く語る内容で、2018年頃はこう思っていて、今はどうなんだろうと比べながら読むのがこの本の楽しみ方だと思う。

読んでいて面白かった所を紹介します。

GRAPEとMN-Core

最初から読んでいたら、いきなりGRAPEが出てきて驚きました。あ、MN-Coreの後ろにはGRAPEがあるんだと一気に興奮しました。GRAPEについては、スーパーコンピューターを20万円で創るに非常に詳しく開発時の思いが載っています。

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エンジニアなら誰でも自分の計算をする専用プロッセサーを自作したいと思うことがあると思います。専用プロセッサーは、専用OSだったり、専用コンパイラだったりしてもOKです。自分が使う道具を自分のためにチューニングしたい、そういう思いがMN-Coreに行ってるんだなと。

最近こういう気持ちを忘れているので、やっぱFPGAやりたいなと思いました。

クラウドとエッジと生物

クラウドとエッジの関係を生物のアーキテクチャに例えるのはすごく面白かったです。末端の神経はいろんな情報を持っているが、実際に脳に行く時には多くの情報が捨てられています。この本は情報を捨てることをサボると表現していて、「どうやって適当にサボるかをネットワーク全体で学習しても良いはずだ」と書いてあるのが面白い。

エッジ側の人間として極小のレイテンシと情報のフィルタリングだけに目が行きがちな所を、その役割分担も学習しても良いし動的に変わっても良いじゃんってのはなかなか思いつかないなと感じました。

まとめ

途中までは過去の経緯だったりAIについての期待だったりもやもやした感じでしたが、所々におおおっと思わせる記述があって楽しめました。起業までいかなくても、新規事業をしたい人や、社内で何か挑戦したいって人にも勇気づけられることが多くお勧めできます。