2ヶ月かけて読んだ感想を。
全体的には、悪い本ではないのですが、僕には合わなかったです。
本を読み始めた理由
Computer VisionやDeep Learningで出てくる行列式がすらすら分かり、Pythonで簡単に動作を確認できるようになりたくて読んでみました。
内容について
まず、Pythonのコードはそれほど出てこないです。出てきたとしても、俺俺行列実装を使うので実践では役に立たない。みんな実際にプログラミングするときにはnumpy使うよね。最初からnumpyで説明しても良いんじゃないかと思いました。最初の方に出てくる漫画は面白いのですが、途中からほとんど出てきません。残念。基本的にはラムダ内包表記で行けるところまで行くので、最初は面白かったのですが、途中からわけわからなくなって結局numpyで少しずつ動かしてました。
扱うトピックとしてデータの圧縮や、暗号化があるのですが、各章でちょっとずつ勉強するのでもやもやしたまま勉強を続けないといけないのが僕には辛かったです。
勉強の効率の問題なのですが、例えばComputer Visionでの行列についてはComputer Visionの良い本を読んだほうが、数学も含めて詳しく書いてあり最初からその分野の良い本にあたった方が良いです。
参考までに僕が良かったと思う本です。
- これなら分かる応用数学教室―最小二乗法からウェーブレットまで―
- Multiple View Geometry in Computer Vision
- 最小二乗法と測量網平均の基礎
この本の良かったところ。
得たものとしては、GF(2)、三角化、Ker、Im等の考え方がわかったこと。翻訳に関しては特に詰まることもなく、読みやすかったです。原書は安いのでそっちと合わせて読んでも良いと思います。行列の応用についても、広く浅くカバーされていてどういう使いみちがあるのかわからない人には役に立つと思います。上に書いたとおり、ちゃんと勉強するならそのジャンルの良い本を読んだほうが理解が深まると思います。
ごく一部の人向けですが、最後のほうでノイマンのちょっと良い話が乗っているのがよかったです。